イントロダクション
頭痛に悩んでいる人が多いことはわかっています。
なぜなら私がそうだからです。
それと同時に、頭痛を周りに表明できないことで悩んでいる人が多いこともわかっています。
なぜなら私もそうだったからです。
私に解決する術はありませんが、共有したり共感することならできるかもしれません。
今回はそんな私の頭痛に対する私見を書き残します。
たかが頭痛というなかれ
振り返れば、小学生の頃から頭痛持ちでした。
「小児片頭痛」だったのかもしれません。
例えば冬のある日、小学校の暖房器具の匂いが、ツンと甘い匂いに感じるようになったら、頭が痛くなるサインでした。
保健室で頭痛を告げ、トボトボと早退した日の何とも言えない寂しさが今でも私の心の中に残っています。
たかが頭痛、と父親にはよく言われたものです。
「多様性」とか、「他人との違いを受け入れる」とか、そんな価値観が希薄だった時代です。こうした頭痛持ちじゃない人からの物言いというのは、今よりもストレートでした。
時代背景もありますから、これって一概に誰かが悪いわけではない、と今なら理解出来ます。
でも痛がっている子どもの自分には結構残酷な話で、この経験が「人前で頭が痛いことを伝えてはいけない」と、心のどこかで「頭痛=罪悪感」に育ってしまいました。
運動を盛んにやっていた高校、大学時代はあんまりなかったのですが、仕事をするようになって、また頭痛が頻発するようになりました。
頭痛外来へ
2006年。仙台市内の某高層ビルのオフィス内の事業所に勤めていた時代のことです。
頭痛のヒドさが吐き気に発展するという、自分史上初の出来事に襲われ、皆が「暖房効きすぎてあちー」とか言っている中、寒気でガクガクするような事態に見舞われました。
エレベーターに乗ることすらできず、20階以上にあった事務所から階段で降りて帰宅しました。
翌朝になっても頭痛は改善せず、そこで前々から気になっていた「頭痛外来」に行くことにしました。
行くとそこは、僕よりはるかに症状の重い人であふれた、さしずめ「頭痛のテーマパーク」。
「痛み」を発端に、様々なまっすぐ歩けない、まぶしくて目が開けられない、気持ち悪くてバケツが手放せないなどなど、多種多様な症状のオンパレードでした。
僕なんか自力で病院に行って、自分で問診票書けるんですから、相当軽い方に属していたはずです。
MRIは高いんでキャンセルしたものの、CTの検査と問診票とを照らし合わせながら診察をした結果、典型的な「片頭痛」と烙印を押していただきました。
不思議なもので、病名がつくと安心しました。「あー、原因不明の痛みではなく、ちゃんと名前のある頭痛だったんだ」と。
トリプタン製剤との出会い
そして出会ったのが「トリプタン製剤」です。片頭痛持ちの方にはお馴染みの特効薬ですね。
最初は頭痛外来で訪れた病院で処方されたイミグランでした。
その後、引っ越しに伴って通いやすい病院を求めて転々とした結果、レルパックスや当時としては比較的新薬だったアマージなど、色んなトリプタン製剤を飲んできました。
確かに薬価は高いですが、その分効果は抜群で少し怖いくらいです。
昨今ではトリプタン製剤の後発(いわゆるジェネリック)も出ているので、経済的な負担は少し改善されました。
根本を見直したい
確かに病名がついて、特効薬もあるというのは心強い感じもするのですが、別に頭痛を誇っているわけでもないので、痛くならないのがベスト。
どうすれば頭痛を回避できるか考えてみました。
あくまでもケースバイケースですので、すべての人に当てはまりませんが、僕の経験上、部活動で定期的に運動をしていた頃は比較的頭痛の頻度が下がった、という事実がありました。
頭痛がゼロになるわけではありませんが、回数が減るだけで頭痛が来るかもしれないという心的ストレス、恐怖から開放されると思ったのです。
2020年から1年半ほどジム通いをしていますが、強烈な片頭痛は実は最近は経験していません。
たまに頭痛に襲われることはありますが、ロキソニンで何とかなるレベルなので、最近はトリプタン製剤を処方してもらいに病院に行く回数も減りました。
ライターという仕事は、人に会いに行ったり何かを見に行ったりと、決してデスクワークが100%という仕事では無いと思うのですが、原稿を書くとなればかなり長い時間椅子に座りっぱなしになりますので、筋肉が硬直しやすくなります。
私は筋肉の硬直からくる緊張性頭痛ではなく、片頭痛ですので、ここから急激に緩和した時に頭痛になるタイプでした。
勝手な分析ですが、常日頃から運動することで、この緊張と緩和に身体を慣らしておくことで、急激な変化が起こらなくなったんじゃないかと思っています。
結び
あくまで私の体験談でしたが、頭痛に対しての理解が広まり、頭痛を軽んじたり仮病の一種と決めつけるような風潮が一掃されることを祈っていますし、本記事がその一助になれば幸いです。
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