イントロダクション
私はこれまでに、7回退職しています。
そのうち、退職願を出して辞めたのが2回。
あとの5回が契約満了や会社の消滅などといった、職場の事情での退職です。
あまりこの分け方は意味がないかもしれませんが、結局とてもエネルギーを使います。
会社の辞め方なんて、誰も教えてくれませんでしたし、最初に会社をやめた2004年当時、ネットに転がっている情報なんて、求人情報誌の内容とさほど変わりがありませんでした。
いざ書こうと思って調べるまで、「退職願」「退職届」「辞表」の違いなんか分かりませんでしたし、「私事」って何?という感じでした。
今回の記事は、会社を辞めることを推奨するのではなく、会社を辞める時のエネルギーの消費を少しでも減らすことができるお手伝になればと思って書いてみます。
会社を辞めることは迷惑か?
会社は、組織として個人では成し得ない仕事をする機能を持っておくことが求められるはずです。
例えば、属人的な仕事の回し方がそこにあるとして、属人的な仕事の回し方の解消、つまりその人が去ったとしても、仕事が滞りなく続くように計画しておくことが、お客様に対しての会社が果たすべき責任になるはずです。
なぜなら、明日その人が交通事故や病気に倒れ、働けなくなってしまった場合に、バックアップが効かないようでは、個人事業主、一人親方、フリーランスに仕事を任せているのと、大して変わらないからです。(もちろん、厳密には信用の問題とか色々あるのでイコールではありません)
また、日本国憲法22条において、私たちは職業選択の自由を与えられていますから、違う仕事をしたいと行動に移したあなたを、説得や処遇の改善などは出来ても、退職を認めないなどその意志を無視したり、制限することは本来できません。
でも日本の多くの中小企業で働く人って、どっかで会社に対して「主従関係」のような関係性を築いてしまっていませんか?そんな気持ちで勤めてしまうと、会社に対して「申し訳ない」という思いが付いて回ってしまいます。
しかし思い出してほしいのは、仕事を受けたのは「あなた」ではなく「会社」であり、迷惑をかけるのも「会社」であり「あなた」ではないのです。もちろん会社は、あなたが空けた穴を想定した組織づくりをしているか、補填する努力をするところまで責任を負っているので、あなたは自分の人生を謳歌すれば良いわけです。
会社は仕事をする看板や仕組み、そして報酬を用意し、労働者は労働職を提供しているので、別にどっちが上か下か、など考えなくて良いことだと私は思います。
そうは言っても、変な争いに発展することなく、円満退職するに越したことはありませんので、ここで「引き継ぎ」が必要になるわけですね。
退職を決めた人が、引き継ぎで考えるべきこと
どうやって引き継ぎをするか、でその人のセンスが分かったりします。
これまで複数の職場を渡り歩きましたが、仕事のできる人は、引き継ぎも上手でした。
そして引き継ぎの上手な人、仕事のできる人って、そういう先輩に指導されたことがある人が多かったと思います。
私が引き継ぎを行う際に行ったことは以下。
- お客様と案件の重要度別リスト作成
- 案件の頻度別のリスト作成
- 重要度と頻度が高いもの(A)、重要度が高く頻度が低い(B)、重要度が低いけど頻度が高い(C)、重要度も頻度も低い(D)に分類
- 最低でも(A)と(B)は引き継ぎ書を作成する
- 引き継ぎ書の作成にあたっては、5W1Hを明確にし、自分と担当者間の個別具体的なローカルルールみたいな、お作法みたいなものはメモ程度にして記録する
- (A)には挨拶必須、後任が決まっているなら顔をつないでおく
- (B)(C)(D)の取り扱いは、残された日数も考慮して判断、上司に相談など
上記のような手順を、自分なりに作ってやっていました。
退職した回数が多かったので、最初はまともに引き継ぎなんか出来ませんでしたが、段々とできるようになった感じですね。
大事なのは、前述もしましたが、会社の仕組みとして滞りなく後任にパスすること。そしてどんな会社でもスムーズに後任が決まるとは限りませんので、自分が去った後でも重要度と頻度の高い(A)だけは落とさないようにしておくように配慮するのが肝要かと思います。
もちろん、四の五の言わずにスパッと、何も残さずに辞めるのもスタイルですので、そこは個人のご判断でどうぞ。
退職代行というサービスがあるそうです
「マイレージ・マイライフ」という映画をご覧になったことはありますか?
ジョージ・クルーニー演じる主人公は、雇用主に代わって従業員に解雇を言い渡すことを仕事にしていて、凄腕なので全米から引く手あまたで、飛行機のマイルがもうすぐ1000万マイルに届こうかという旅の達人、という設定でした。
この映画は個人的に好きな雰囲気の映画で、何度か繰り返し見ているのですが、気になるのは主人公の職業です。「雇用主に代わって解雇を言い渡す仕事」って、すごいところに目をつけたな、と思ったものです。
しかし時代は令和に入り、最近私はこんなものを見つけました。
退職代行サービスです。
さっきの逆ですね。
辞めたいと思った人が、その意志を雇用主に伝える代行業です。
正直に言いますと、私自身使った経験が無いので、どこのサービスが良いのかの比較も、利用体験談もありません。
しかし、働き方が多様化になっている時代に、辞め方も多様化になっていくのは自然な流れなのでしょう。
私は、会社員と個人事業主を兼業でやっているので、近い将来で使う予定はなさそうですが、機会があったら利用してみたいと思います。
もし、こうした第三者を介して退職することでストレスが軽減でき、明るい気持ちで次のステップを歩めるなら、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
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